生徒会の恋愛事情
勇也先輩の言葉は分かりやすかった。
言葉も単純だし、言い方も分かりやすいし、おかげですぐに呑み込めた。
「もっかい言うけど、誰にも言うなよ。」
「はい。
誰にも言いません。」
勇也先輩は、近々光唆にもこの話をすると言って、あたし達は例のVIPルームに行った。
着くなり香里奈先輩の声が聞こえる。
「勇也遅いよ!
もうすぐ華羅ちゃんが飛行機に乗らないといけないじゃない!」
「仕方ねえだろ!
文句があるなら、こんなややこしい学校を作った爺ちゃんたちに言え!」
「そうだけど、今日は…」
「まあまあ。
香里奈の言いたい事も分かりますけど、今日で華羅と会えるのが最後ってわけじゃないですから。
それに、勇也は言うべき事を言ってくれたんですよね?」
「おう。」
「なら良いとしましょう。
僕もそろそろ沙羅ちゃんに話した方がいいと考えていましたし。」
弥先輩があたしを見る。
思わずドキッとしてしまった。
「沙羅ちゃん、これからも宜しくお願いします。」
ふわりと咲く笑顔に、あたしは自然と頷いてしまう。
「こちらこそ、宜しくお願います。」