生徒会の恋愛事情


「今日はありがとうございます。
今日だけじゃなくて、留学に行く事、賛成してくれて…
生徒会の仕事を押し付けちゃって申し訳ないけど、その分しっかり勉強して、秋から生徒会に戻ってくるんで、それまでの間、宜しくお願いします。」


華羅お姉ちゃんが頭を下げる。


「そんな、申し訳ないとか考えなくていいよ!
それより思いっきり楽しんできてね!」


「香里奈の言う通りだ。
難しい事考えるな。」


「勇也、逆にお前はもっと色々な事を考えろ。
そんな調子だから学年最下位なんて取るのだ。」


「兄貴はうるせーな!
今はそんな事どうでもいいだろ!
それより兄貴も何か言ってやれよ。」


聖也先輩は、一瞬考えた後にこう言った。


「俺も香里奈と同意見だ。
初めの海外、それも1人で行くとなると心配事も多いだろうが、本当に大変な時は俺達がサポートする。
安心して学んで、楽しんで来い。」


「留学って美羅はよく分からないけど、外国って滅多に行けないし、色んな事いっぱいしてきて教えてね!」


「そうですよ。
僕達のことなんて気にしなくてもいいんです。
…暫く会えなくて寂しいですが、僕達はちゃんと生徒会で華羅を待ってますから、負い目を感じずに行ってください。」


あとは、あたしだけだ。


「華羅お姉ちゃん!
…体には気を付けて、色んなもの見てきてね!
家の心配とかしなくていいから!」


家族として、生徒会役員として、あたしが言えるのはこれぐらいだけど、気持ちは伝わってるよね?


「…本当にありがとう。
行ってきます。」


華羅お姉ちゃんは飛行機に方に歩いて行った。



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