生徒会の恋愛事情
それから少しして、あたしは弥先輩と見回りに出かける。
夏と言えども夜は暗い。
電気がなかったら何も見えないのは、ここが建物の中だから。
そして、星も見えない都会だから。
何処に行くか分からないけど、弥先輩の別荘って、星とか本当に綺麗に見えるんだろうなって想像してしまう。
そんな事を考えている時だった。
「沙羅ちゃん、一つ聞いてもいい?」
「はい…」
弥先輩は少し思いつめているようだった。
不謹慎だけど、そんな姿も綺麗だった。
だからどうしてもドキドキしてしまう。
もう諦めるって決めたのに…
「僕が介入していい話ではないと思うんだけど…最近の光唆君と沙羅ちゃん、前みたいに仲良くないように見えるんだけど、僕のせいかな?」
あたしの心臓は、違う意味でドキリとする。
「弥先輩のせいじゃないです。」
あの時に弥先輩が来たのは驚いたし、慌てたけど、それが理由じゃない。
ただ単に、あたしがまだ返事をしてないから。