生徒会の恋愛事情
「…光唆から、あの時の話は聞きましたか?」
恐る恐る尋ねてみると、弥先輩は少し困ったように返事をした。
「聞いたよ。
まだ付き合ってるってわけじゃないんだよね?」
「はい。
…まだちゃんと返事してないんです。
だからその…なんというか、光唆と話しにくいというか…」
「光唆君のこと、好きじゃないの?」
「…友人としてなら。」
「そっか。
2人は幼馴染って言ってたね。
言ってたって、華羅から聞いたんだけど。」
弥先輩は、あたしの気持ちを察してくれたのかもしれない。
あたしが光唆を友達としか思ってなくて、それは多分、ずっと変わらないという事を。
だから弥先輩は、続きとなる言葉を言わなかった。
「分かってるんです。
早く返事しなきゃいけないって。
でも…何て言えば分からないというか、返事をするのが怖くて…」
「光唆君は、沙羅ちゃんが断ったからって何も言わないと思うよ。
そりゃ…一時は傷つくだろうし、今までと全く同じ関係でいられるかは分からないけど、沙羅ちゃんが思っている程悪い展開にはならないよ。」
「そうですかね。」