生徒会の恋愛事情
「そうなんですか?」
「そう。
出来るか分からないけど、今まで仲が良かったのに些細な事で険悪になるのは嫌だから、努力していこうと思ってる。」
弥先輩にもそういう人いるんだ。
よく考えたら、弥先輩ってすごくモテるだろうし、振っちゃう事も多いんだろうな。
実際…華羅お姉ちゃんと付き合ってるんだし。
告白してくる女の子達とも上手くやっていかないと、弥先輩の場合、世界中の女性を敵に回しそうだ。
「弥先輩なら出来ますよ。」
誰にでも丁寧に接して、分け隔てなく優しい。
…そんな弥先輩だから、絶対に出来る。
「ありがとう。
沙羅ちゃんにそう言ってもらえると、本当に出来る気がするよ。」
「本当ですか?」
「本当だよ。
ありがとう。」
弥先輩にお礼を言われて、あたしはとても嬉しくなる。
あたしは弥先輩に告白する前に諦めようって思ったから、弥先輩からしたら何も変わらないかもしれないけ。
でも、あたしは弥先輩と新しい信頼関係を作っていきたいと思った。
生徒会さえ終わっちゃえば、もう会えなくなるだろうけど。
恋愛感情を抜きにした、信頼しあえる先輩と後輩になれたらいいな。
この時のあたしはそう思っていた。