生徒会の恋愛事情
驚いたように光唆が振り向く。
まるで、隠れてゲームしているのがばれてしまった子供のようだ。
「な、なんだよ!」
動揺している彼に、あたしの心はまた動く。
でも、答えが変わるわけではない。
もう逃げちゃダメだ。
「ちょ、ちょっと言いたい事っていうか、話したい事っていうか…とりあえず来て!」
あたしは光唆の腕を引っ張る。
あたしの行動に、光唆は余計に慌てる。
「光唆君!
見回りの時間までには帰ってきてね。」
ひらひらと手を振っている香里奈先輩は、掴みどころがなかった。
聖也先輩は興味なさげって感じだった。
「分かってます!」
光唆の声が生徒会室に響く。
その後に聞こえたのは、ドアが閉まる音だった。
一瞬広がる沈黙、それを破ったのは香里奈先輩だった。
「…告白ではなさそうね。」
香里奈先輩が眉を下げて言う。