生徒会の恋愛事情
「んなもん…分かってたよ。
返事くれって言ったのは俺だけど。」
光唆は表情を隠すように、窓の外を見た。
「ごめん…」
「謝るなよ。
分かってて言ったのは俺だから。
俺の方こそ、悩ませて悪かった。」
「…」
「でもよ…俺は沙羅にちゃんと言えてスッキリしたよ。
ちゃんと沙羅の口から返事も聞けたしな。
って、そんな顔すんなよ。」
あたしがどんな顔をしているのかは分からない。
でも光唆は、あたしの顔を優しく覗いてから、頭をぐちゃぐちゃと撫でた。
「頼むから、明日からシカトとかやめろよな。
もう気にしなくていいから、今まで通り普通に友達でいて。」
「うん…」
今まで通り、出来るかな?
ちょっと前みたいに戻れるかな?
そう思った時、あたしは弥先輩が言いていた言葉を思い出したの。
新しい友情を築いていきたい。信頼関係を一から作り直していけたら、また違う友情が生まれると思う。
「新しい友情…」