生徒会の恋愛事情
「おはようございます。」
出てきたのは弥先輩だった。
山の中でもその優雅さは変わらない。
ここは軽井沢とかそんな有名な場所じゃない。
でも凡人なら近付かない、お金持ちの方々の為の別荘地なんだろう。
だから弥先輩がこんなにも馴染んでいるんだと思う。
「おはようございます!」
「おはようございます。」
「迎えに来るのが遅くなってすいません。
別荘の方でちょっと事故が起きまして。」
「事故って、大丈夫なんですか!?」
冷静な弥先輩に比べて、光唆は慌てていた。
「そんな大した事ないんですよ。
勇也が花瓶を割っただけですから。」
勇也先輩…その花瓶は我が家の食事代の何ヶ月分ですか?
まず、値段が付けられる代物ですか?
勇也先輩はここにはいない。
だからって弥先輩にも聞けるはずもなくて、あたし達はその後すぐに車に乗って移動したんだ。