生徒会の恋愛事情
侍女と巫女が一緒に出てくるシーンは少ないから、読むのはやりやすいって言ったらやりやすい。
でも…
「失いたくないんです。
…愛してしまったから。」
「…そ、そんな!」
また噛んじゃった。
現代劇でないとはいえ、これは悲しい恋のお話だ。
当然、言われたらドキドキするような台詞が多い。
だからどうしても…緊張してしまう。
あたしは巫女じゃないけど、今の巫女はあたしがやってるわけだから。
それに…相手は弥先輩だから。
もう好きでいるの止めようって思った。
それが出来始まったと思った。
でも…お芝居とは、愛してるとか言われちゃうと、どうしようもない気持ちになる。
それは読み合わせが終わるまで続いた。
「沙羅ちゃん演技上手!」
終わってから香里奈先輩が誉めてくれた。
「ありがとうございます。」
「いやー最初は読んでもらうだけでいいって思ってたけど、今の聞いたら本当にヒロインやってもらいたいくらい!」