生徒会の恋愛事情


「そんな!
あたしなんて全然。」


「そんな事ないよ!
巫女が意識し始めたぐらいからかな?
本当にグッと来るっていうか、とにかく良かった!
華羅ちゃん達にも見せたかったなー。」


あたしは考える。


華羅お姉ちゃんの方が絶対に上手い。


だって華羅お姉ちゃんは弥先輩が大好きで、弥先輩にも愛されてるもん。


…そう考えたら、あたしって侍女の役ぴったりなのかな?


侍女は主人公の青年に恋をするけど、報われるどころか気付いてさえもらえなかった。


最終的には、侍女は巫女と青年が逃げるのを助ける。


自分の気持ちを伝えないまま。


あたしは侍女じゃないから、逃がしたりだとかそんな凄いの出来ないけど…やっぱりちょっと似てるかな。


そう考えると、侍女も少し演じやすいかも。


あたしはポジティブに考える。


だけれども、そういう風に考える事が虚しく感じられた。


「そろそろ小百合さん来るし、会議の準備しようぜ!」


ありがたい事に、勇也先輩がそう言った。


「はい!」


あたしは準備に取りかかった。



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