生徒会の恋愛事情
そして夜になる。
「勇也先輩、絶対に面白い事って…」
「肝試しだ!」
勇也先輩は凄く良い笑顔だ。
だけど、あたしの笑顔は確実に引きずっている。
目の前は真っ暗な森だ。
木々は前にある何列かしか見えない。
今ある明かりは4つだけだ。
「兄貴は仕掛けもしたし、どうせ何があったって澄ました顔してんだから、行かないよな。」
「そうだな。
自分の仕掛けた肝試しに行くなんて下らないし…昼からそんな事して疲れたから、ここで休む。」
あたしも聖也先輩と一緒にここで休みたい。
…ホラーって本当に苦手なの!
そう言おうとしたら、行かないと言っていた聖也先輩がこんな事を言い出した。
「華羅がいなくて、俺も行かない。
見回りの組み合わせで行くのはどうだ?
2人一組で向かわせる予定だしな。
勿論、露払いは会長だが。」
「構いませんけど、こういう時の会長じゃありませんよ?」
弥先輩が笑って承諾した。
見回りの組み合わせで、弥先輩が最初で、って事はあたしは…