生徒会の恋愛事情
「あたしも最初ですか?」
「そうだね。
宜しく、沙羅ちゃん。」
「は、はい!」
って、何あたしも承諾してるのよ!?
「ランプは1つだ。
間違えても割るなよ。」
弥先輩はそれを受けとると、今から輝く海にでも行くように爽やかに言ったのだ。
「沙羅ちゃん、行きましょうか。」
「ま!
待って下さい!」
あたしは弥先輩の後ろ姿を追いかけた。
あたしが先輩達から見えなく頃、一人の少年がその場にやって来る。
「遅くなってすいません。
なかなか火が消えなくて…って、勇也先輩、花火じゃないんですか?」
「おう!
肝試しだ!
今ちょうど、弥と沙羅が行ったところだ!」
光唆が幾度か瞬きして、口を開いた。
「あいつ…沙羅、行ったんですか…?」
「そうだけど、どうしたの?
沙羅ちゃんと一緒に回りたかったとか?」
香里奈先輩の問いに、光唆は首を振る。
「沙羅、世界で一番幽霊が嫌いです。」
暗くて互いの表情が分からなかったから、誰も沙羅の表情に気付かなかった。
「悪い事しちまったじゃねえか!」
時既に遅しである。