生徒会の恋愛事情
「大丈夫。」
うっすら空いた瞼の隙間から、弥先輩が見えた。
暗いけど、いつもの優しい弥先輩だった。
「僕が沙羅ちゃんの傍にいるから。」
頭上にあった手が背中まで下りてくる。
そのまま引き寄せられ、あたしと弥先輩の距離は更に縮まった。
「弥先輩!」
弥先輩の首筋に、あたしの頬が触れた。
あたし…弥先輩に抱き締められてる?
「怖い思いさせてごめんね?」
耳の傍から、弥先輩の声が聞こえる。
それは小さいものなのに、あたしの鼓膜を大きく震わせた。
そして熱でも出したかのように体中が熱くなってくる。
「わたっ…る先輩…」