生徒会の恋愛事情
「あたしは…」
やりたい事が何かって聞かれたら、すぐには答えられなかった。
バイトをしたいと思ってたが、それは家の生活費が厳しいからだ。
いくら由羅お姉ちゃんが公務員でも、まだ若いからそこまで給料が良いわけではない。
姉妹4人の生活は決して楽ではなかった。
でも生徒会から給料が出るなら、バイトはしなくてもよいという事になる。
華羅お姉ちゃんが2月にバイトを止めたのも、生徒会に入って給料が出るからだろう。
つまり、バイトをするよりも生徒会の方が儲かるという事になる。
あたしは今、バイトをしたかったわけではない事に気付く。
「…考えた事なかったな。」
「そっか。」
光唆はまた難しい顔をしている。
陸上部か生徒会か、迷ってるみたいだ。