生徒会の恋愛事情


幸せか…


幸せなのかな?


…ってか、幸せって何だろう?


あたしは考えれば考える程、混乱していった。


倫理の授業は真面目に聞いてるつもりなのにな…


「沙羅ちゃん、難しく考えすぎだよ。」


黙って考えていたあたしに、小百合先輩が言った。


「その人のこと考えてみて。
ただ立ってるところを思い出すだけでもいいから。」


あたしは言われた通りの事を考えた。


弥先輩の立ち姿…


最初に浮かんだのは、生徒会で報告をしている、いつもの弥先輩だった。


次に思い出したのは、全校集会でスピーチをしている、いつもよりもキリッとした弥先輩だ。


それから色んな弥先輩が頭を過る。


資料整理をしている弥先輩、パソコンで資料を作っている弥先輩、先生と話している弥先輩、一緒に見回りをしている弥先輩…


どの弥先輩も…あたしは好きだ。


あたしのこと全然見てないけど、あたしが大好きな弥先輩なんだ。



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