生徒会の恋愛事情
ドアが完全に開いた。
あたしの足は震えている。
恐怖で震えが止まるはずがない足は、歩く度に歪みそうだ。
だが、そんな事言ってられない。
ほら、ここに来るはずのない人が入ってくる。
「だ!誰ですか!?」
あたしは大きな声を出した。
でも、絞り出した声は裏返っている。
ビビッているとばれたら、なめられっちゃう。
「たっだいまー!」
「…」
え?
「…華羅お姉ちゃん!?」
フライパンを持っている手が、重力に従う。
足の震えは止まり、いつの間にかあたしは床に座り込んでいた。
「そうだよ!
って…起きてるの沙羅だけ?」
「…あたしだけだよ。」