生徒会の恋愛事情


そんな華羅お姉ちゃんを皆で宥めてから、あたし達は帰る事にした。


あたし達って言っても、華羅お姉ちゃんと聖也先輩は見回り当番だから残るし、光唆も先生に用事があるからちょっとだけ残るって言ってた。


今日は実質一人で帰宅か。


そんな事を考えていた。


「では、僕達はお先に失礼します。」


弥先輩がそう言うのを合図に、別れの言葉が部屋中を飛び交い、先輩達が次々と部屋から出て行った。


あたしが出たのは最後だった。


「お疲れ様です。」


そう言ってドアを閉める。


職員室の近くで光唆に別れを告げ、先輩達と話しながら校門まで歩く。


どの先輩もあたしと帰る方向はだから、挨拶したら今日はこれでお別れだ。


「お疲れ様でした。
明日もまた宜しくお願いします。」


頭を下げて、先輩達に背中を向けた。


向う道は何だか暗くて、こんな時間だから人通りも少ない。


なんか寂しいな。


あたしは帰るのが嫌になった。



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