生徒会の恋愛事情


あたしは弥先輩に話を聞いてもらっていた。


話って、そんな大したことじゃない。


クラスで起きた事とか、家での事とか。


他愛もない話だった。


でもき始めて数分後、振り返っても学校が見えなくなる頃である。


それまであたしの話を聞いてくれていた弥先輩が口を開いた。


「沙羅ちゃんに聞きたい事があるんだ。」


弥先輩の声は、何時にも増して真剣だった。


「…どうしたんですか?」


そんな弥先輩に、あたしは少し緊張してしまう。


急に何だろう。


華羅お姉ちゃんのことかな?


喧嘩しちゃったとか、最近忙しくてプライベートな会話してないとおか、留学から帰ってきてから変わっちゃったとか、そんな話だったら…


心の奥底で、チクリとした痛みが生まれた。


まだ話も聞いてないのに、おかしいんだけど。


あたしがそんな事考えていたら、弥先輩はゆっくりと話し始めた。


「今の生徒会、どう思う?」



< 194 / 385 >

この作品をシェア

pagetop