生徒会の恋愛事情
「不満じゃないんだけど…なんていうかな…生徒会に足りないものがある気がして。」
弥先輩は困ったように肩を竦めた。
「足りないものですか?」
「そう、足りないもの。
基本的には沙羅ちゃんと考えは一緒なんだ。
この生徒会は皆しっかりしてて、仲良くて、去年までと全く違う対応が求められているにも関わらず、凄く柔軟に対応できている。
凄く優秀な組織だと僕は思っているんだ。
でも…なにかが足りない。」
「…何でしょう。」
考えても分からなかった。
寧ろ、考えれば考える程完璧なように思えてくる。
っていうか、弥先輩が分からない事があたしに分かるのだろうか。
「…弥先輩、どうしてその話をあたしに?」
生徒会の相談なら、経験豊富な聖也先輩や小百合先輩にするのが一番良い気がする。
もし先輩に聞きにくい事だとしても、去年一緒にやってきた勇也先輩、生徒会は一年目だけど前から関わりがあった香里奈先輩だっている。
それに…華羅お姉ちゃんがいるじゃない。
華羅お姉ちゃん、最近凄く頼りになるし、彼女なんだし…あたしなんかより最適じゃん。
口にはしないもの、心の中で叫んでみた。