生徒会の恋愛事情



そんな事を考えているあたしに、弥先輩はあっさり答えた。


「沙羅ちゃんなら、答えを導き出してくれそうだから。」


「あたしがですか?」


「そう。
沙羅ちゃんが答えを持っているとは限らないけど、沙羅ちゃんと話していたら答えが見えてくるんじゃないかって思ったんだ。」


そう言って弥先輩は立ち止まって、真っ直ぐにあたしを見つめたんだ。





「…そんな。」


あたし今、凄くドキドキしている。


金縛りにあったみたいに動きが止まっている。


なのに体中の血液は、かけっこしているみたいに速く動いている。


違う、何考えてるのあたし。


弥先輩は答えを探しているのであって、あたしのこと好きで見てるんじゃないよ。


あたしは自分に言い聞かせた。


「弥先輩…」


耐えられなくなって、あたしは目を逸らした。



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