生徒会の恋愛事情
ここ毎日、本当に忙しいもん。
偶にはゆっくり寝たいだろう。
でも、そういうわけにはいかないんだよね。
明後日は遂に文化祭本番だ。
休める時でもない。
あたしは華羅お姉ちゃんの肩を数度揺すった。
「華羅お姉ちゃん、起きて!
華羅お姉ちゃん!」
小声で呼ぶと、閉じられていた瞼が動き、大きな目があたしを写す。
「沙羅…」
「おはよう。
まだ時間はあるけど、そろそろ起きて用意しないと。
今日も遅刻出来ないしね?」
「嘘…もう朝?
マジに言ってる?」
そう言いつつも、華羅お姉ちゃんは起き上がる。
明後日が終わればちょっとは休める。
この時はそう思っていたの。
起き上がってからの華羅お姉ちゃんの動きはきびきびしていて、着々と準備を進める。
あたしも支度をして、由羅お姉ちゃんを起こしてから家を出た。