生徒会の恋愛事情


「沙羅ちゃん、鏡って結構重いけど一人で持てる?」


「大丈夫ですよ!」


小百合さんが言う通り、大きな鏡はちょっと重いけど一人で持っても平気なくらいだ。


「この辺でいいですか!?」


「うーん…もうちょっと左かな!」


あたしは持ち上げて、鏡を少しずらす。


このあたりかな、そう思って鏡を置こうとした時だった。


「沙羅ちゃん!」


弥先輩がそう言ってこちらに駆け寄って来る。


凄く慌てているようだった。


そして鏡には反対側から走って来る華羅お姉ちゃんの姿が写っていた。


「上!!」


弥先輩の声を聞いて、あたしは初めて頭上に目をやる。


電気が点いていて明るいはずなのに、黒い塊で視界が遮られた。


大道具の柱…


あたしは、柱がこちらに倒れてきている事に気付くのに少し時間がかかった。


…これが命取りだった。



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