生徒会の恋愛事情
逃げなきゃ。
あたしは一歩後ろへ下がる。
でも、柱はもう目と鼻の先だ。
あたしは目を瞑る。
もう駄目だ。
だってほら、あたしは後ろへ倒れている。
あたしは体が宙に浮くのを感じた。
次に感じたのは、冷たい床の感触、そして…
おかしい。
柱が当たって痛いはずなのに、そんな事なかった。
あたしは薄く目を開く。
が、次の瞬間にはそれを大きく見開いていた。
「華羅お姉ちゃん!!」
痛くなくて当たり前だ。
華羅お姉ちゃんがあたしを庇ってくれていたんだから。
「沙羅…大丈夫?」