生徒会の恋愛事情
「平井の妹は?」
「へ?
えっと…」
「彼女は倒れた時に背中ぶつけてます。
痛みは特にないようなので大事には至らないと思いますが、念のため診てあげて下さい。
あと、負傷している子は他にいません。」
「了解。
平井、歩ける?」
「は、はい…」
あたしは立ち上がって、保健室に向かおうとする。
でも…
「っ!」
すぐに止まってしまった。
「平井?
背中じゃなくて足の方が痛いの?」
「…はい。」
「そっか…犬山の兄ちゃんの方は今いないから…弟!
沙羅ちゃん運ぶの手伝って。」
「おう!」
飛び散った硝子を掃除し始めていた勇也先輩が、箒を置いてこちらにやって来る。
「待って下さい。」
予想外の声が隣から聞こえてきた。
弥先輩だった。