生徒会の恋愛事情


「そんな…弥先輩のせいじゃないです。」


弥先輩が責任を感じているのを背中越しに感じる。


今、弥先輩はどんな顔をしているのだろうか?


そう思っても確かめられない。


こんなに近くにいるのに、顔を見るどころか何も出来ないんだ。


「いや、もっとリスクを考えて使う大道具も考えるべきだった。
物語の構成や世界観だけでは不十分だったんだ。」


「そんなの…普通はそこまで考えませんよ。」


柱が倒れて、そのせいで鏡も倒れて大怪我するなんて誰が考える?


あたし、そんな事考えたもしなかったよ。


「そのリスクを考えるのが、僕の仕事なんだよ。」


その言葉が、あたしの脳内を駆け巡る。


とても重い言葉だった。


一人の人が背負っているとは思えないぐらい大きなものがそこにはあった。



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