生徒会の恋愛事情
「弥先輩…」
あたしはさっきの弥先輩を思い出した。
悔しさや苦しさに包まれていた弥先輩…でも弥先輩はそれに押し潰されない。
自分に出来る事をやっている。
「ねえ、華羅お姉ちゃん。」
「何?」
「今のあたしに出来る事って何かな?」
「え?」
あたしは瞼を閉じて、集中する。
それが何かを考えるために。
「あたしね、さっき華羅お姉ちゃんが怪我した時、何も出来なかった。
先輩や光唆が自分の判断で動いているのに、あたしは怖くて混乱して何もしなかった。」
「仕方ないよ。
沙羅だって怪我してるじゃん。」
「ううん。
立ち上がるまでは何処も痛くなかった。
だから、例え結局何も出来なかったとしても、何かしようと動く事は出来たの。
でもしなかった。」
「沙羅…」
「だからね、確かに今はまだ足も痛いんだけど、今度こそ何かやらなくちゃって。
あたし達二人がいなくなって、絶対に生徒会は大変だから。
華羅お姉ちゃんは入院するぐらいだから動いちゃだめだけど、あたしは何かしなきゃ。」