生徒会の恋愛事情
拍手と笑顔に包まれて、あたしは嬉しくなった。
給料を貰える程の生徒会の仕事なんて、相当厳しいに決まってる。
でも、会長さん達と協力しながらなら、やれる気がした。
「じゃあ、改めまして自己紹介でもしましょうか。
…入学式でも挨拶しましたからご存知かもしれませんが、生徒会会長に就任しました、2年A組の神崎弥と言います。
至らないところも多々あると思いますが、宜しくお願い致します。」
あたしは、宜しくお願いしますと言って頭を下げた。
そういえば、入学式で名前を言ってたかも。
あの時は神崎先輩に見とれていて、ちゃんと話を聞いてなかった。
でも今は普通に話を聞ける。
それは多分、今の神崎先輩とあの時の神崎先輩が違うからだ。
どうしてかは分からないけど、入学式の時みたいなキラキラしたオーラが今の彼からは発せられていない。
今はただ単に、丁寧に話す優しそうなお兄さんという感じだった。