生徒会の恋愛事情
あたしは起き上がる。
足はまだ凄く痛いけど、頑張れば歩ける。
「何したらいいか分からないけど、あたし動く。
きっと…何か変わるから。」
あたしはベッドから降りて、壁に手をつきながら歩く。
動くって言っても何したらいいか分からない。
でも、動かないと何も出来ない。
「沙羅!」
あたしは首だけそちらを見る。
難しい顔をした華羅お姉ちゃんが、こちらを見つめていた。
「誰が悪いとかじゃないから。
だから罪悪感だけで、無理して動く必要はないんだよ?」
「…罪悪感だけじゃないよ。
あたしが生徒会役員だから動くの。」
あたし達は、何かあったら動かないといけない。
そのためにいるんだから。
だから、立ち止まっちゃいけないんだ。
「華羅お姉ちゃんこそ無理しないでね。」
あたしはそう言って、保健室を抜け出した。
由羅お姉ちゃん達は、入院の話とかしてて、あたしに気付いていない。
あたしは壁を頼りに歩いていく。
もう夜遅い学校、生徒会室にしか明かりが付いていないだろう。
あたしは、その明かりを目指して進んでいった。