生徒会の恋愛事情
扉の前に立つと、あたしはそっとドアを開く。
「失礼しま…」
「本当にごめんなさい!」
あたしの足は、中に入る前に止まってしまう。
菖蒲ちゃんが土下座していた。
困惑した先輩達と泣きそうな声の菖蒲ちゃん、複雑そうな顔をした光唆、その光景は、今までに見た事のないものだった。
「沙羅ちゃん!」
弥先輩の一言に、皆の視線がこちらに刺さる。
「…遅くなってしまってすいません。」
あたしは中に入る。
でも、机までの距離が意外とあった。
あたしはふらつき、倒れそうになる。
でも、すぐに立ち上がった菖蒲ちゃんが支えてくれたから倒れずにすんだ。
「ありがとう。」
「お礼なんて…沙羅ちゃん、本当にごめん。
すっごく痛いよね?」
伏し目がちな菖蒲ちゃんに、あたしは首を横に振った。
「大丈夫だよ。
まだ本調子じゃないけど。」