生徒会の恋愛事情
「文化祭、どうするんですか?」
あたしが聞くと、聖也先輩が苦虫を潰したような顔をして言った。
「それを今、話あっていたところだ。」
シンと静まり返る生徒会室で、誰も何も言わなかった。
そりゃそうだと思う。
ただでさえ疲れているのに、こんな事にまでなったんだ。
でも、このまま何も話さなかったら、あたしがここに来た意味がないから。
「…中止ですか?」
今度は香里奈先輩が答ええてくれた。
「文化祭自体が中止になることはないよ。
当日の運営は文化委員と先生達と生徒会がやるから、華羅ちゃんと沙羅ちゃんが欠席になっても何とか回る。
でも…劇は出来ないかなって言ってて、そしたら菖蒲ちゃんが来てくれて。」
菖蒲ちゃんを見ると、手で目元を拭ってから言った。
「あたしの責任だから…出来るなら代役しますって話してたの。
部長も一緒にやってくれるって言ってくれたから、沙羅ちゃんと華羅さんの役、死ぬ気になったら台詞を全部覚えられると思って。
でも、沙羅ちゃんの役なら出来そうだけど、華羅さんの役が台詞とか細かい指示が多くて…正直部長でも本番間に合わないって…」
そっか。
菖蒲ちゃんと部長さんが、責任取ろうとしてくれたんだ。
「だから、もう今年は諦めようって話をしてたんだ。」
そう言った勇也先輩の声が凄く悔しそうだった。