生徒会の恋愛事情


「皆さん忙しい中練習してもらって、香里奈には台本まで書いてもらったのに申し訳ないが…ヒロイン不在では出来ませんからね。」


弥先輩がまた辛そうな顔をする。


他の役員の表情も暗くなった。


そうだよね…華羅お姉ちゃんの巫女様は台詞多い。


ほら、中盤とかずっと喋ってるシーンあるし、最後はかなり迫真のある演技しないといけない。


弥先輩とのシーンだって…


あれ?


あたし…巫女の台詞だいたい覚えてる?


そうだ、華羅お姉ちゃんがいない間はあたしが代役してた。


華羅お姉ちゃんが帰ってきてからも、家でも一緒に練習してた。


「…菖蒲ちゃん、あたしの役なら出来そうって言ってたよね?」


「え?
うん、沙羅ちゃんの役は台詞も少ないから頑張ったら出来ると思う。」


「分かった。
…先輩、やりましょう。」


あたしがそう言うと、その場にいる全員の目が大きくなった。


「あたし、巫女の役やります。」



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