生徒会の恋愛事情
そう言い切ったものはいいものの、先輩達の反応が少し怖かった。
でも、皆賛成してくれた。
ただ一人を除いて。
「駄目です。」
静かにそう言ったのは弥先輩だった。
そしたら光唆が反対の声をあげた。
「何でですか!?
沙羅なら出来ますよ!
ずっと華羅姉と一緒に練習してきたのは弥先輩だって知ってるじゃないですか!」
「沙羅ちゃんが巫女を出来ないとは言ってないです。
寧ろ沙羅ちゃんの巫女を舞台で見たいぐらいですよ。
でも…そんな足の人を舞台に立たせるわけにはいきません。
沙羅ちゃん、今立ってるのも精一杯ですよね?」
あたしは答えを詰まらせた。
弥先輩の言う通りだった。
あたしは今立ってるのがやっとで、舞台に立てるような状況じゃない。
だけど…
「でも…あたししか出来ないと思うんです。
菖蒲ちゃんの言う通り、付け焼き刃で出来る役じゃないです。
だけど…あたし、華羅お姉ちゃんと、それに先輩達とずっと頑張って来たんです。
舞台を楽しみにしてくれてるお客さんのために、あたし達は、生徒会は上演しないといけないんです!
それが生徒会の役目なんです!!」
あたしは真っ直ぐに弥先輩を見つめていた。
弥先輩もそうだった。
両者譲らない、そんな雰囲気だった。