生徒会の恋愛事情
それから暫くして、幕が上がった。
昨日以上に多い観客に一瞬驚いたけど、そんな事も言ってられずに集中した。
気付いたら舞台は順調に進んで、もう終盤。
あとは逃亡シーンだから、あたしと弥先輩以外の出演者は舞台袖からあたし達を見守っている。
「急ぎましょう。」
弥先輩の台詞に頷き、あたしは小走りになる。
だが…
「!
大丈夫ですか!?」
あたしは舞台の上で盛大に転けた。
足が痛いからじゃなくて、セットに足が引っかかったのだ。
「…はい。
ご心配おかけして申し訳ありません。
先を急ぎましょう。」
どうにかアドリブを入れて、次のシーンに繋げる。
あたし立ち上がり、舞台の真ん中までまた小走りで行こうとした。
でも…電流が走ったような痛みが生じた。