生徒会の恋愛事情


翌日、あたしは学校に行った。


弥先輩や光唆には何も言っていない。


もう大丈夫って証明書は貰ったし、何も言われないと思ったから。


だからあたしは、今は朝の会議もないし、何も考えずに自分のクラスに行ったの。


そしたら…


「沙羅ちゃん!文化祭の時に会長とキスしたって本当!?」


「あたし舞台観に行ったけど、チューしてたよね!」


「神崎先輩とのキスの感想は?」


って、クラス中の女子に言われた。


「え!
あ、あれは…してないよ!
見えたかもしれないけどフリだよ!
因みにあんな展開になったのは事故です!!」


って説明したんだけど、いつも冷静なのに慌ててるのが怪しいとか、事故って言い方が変とか、色んな事を言われた。


しかも気付いたら、他のクラスの女の子も集まってきていた。


完全包囲って、こういう事を言うのかと思った。


そんなあたしに救いの手が出されたのは、囲まれてから5分後だった。


「沙羅ちゃん!」


菖蒲ちゃんの声だった。


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