生徒会の恋愛事情
「あ、でもさっきわたし事故って言っちゃった。」
菖蒲ちゃんが来てくれる前に、皆に言っちゃたんだよね。
あと、華羅お姉ちゃんにも。
「そっか…でも台本の直前変更なんて事故みたいなものだから。
それに、トラブルがあって急遽アドリブ入れたんだから、100%嘘じゃないもん。
沙羅ちゃんの言う通り、事故だし。」
菖蒲ちゃんにそう言われて、あたしは少し落ち着いてきた。
嘘吐いちゃったのは皆に申し訳ないけど、起こった事は仕方ないしね。
そんな話をしている時だった。
「沙羅!
…本当に学校来てたのかよ。」
光唆がやってきた。
「うん。
もう怪我も治ったし、そろそろ学校行かないと。」
「ああ!
何も説明しなかった俺らも悪いけど、沙羅は何も分かってねえ!」
あたしの頭にハテナマークが並ぶ。
「どういう事?」
「沙羅が怪我してるから、ちゃんと治してほしいっていうのもあったけど、この前の劇での騒動が収束するまでは沙羅は学校来ない方がいいって話になったんだよ。」
騒動って…さっきの完全包囲の事かな?
…学校中に、あたしが弥先輩とキスしたって思われてるって事だもんね。