生徒会の恋愛事情
「え!?
修学旅行に行かないんすか?」
「修学旅行!?」
そういえば、そんな行事あった、学校の行事だけど。
生徒会にいると、生徒会で扱わない行事にはどうしても疎くなってしまう。
修学旅行なんてその代表みたいなもので…もしかしたら修学旅行だけかもしれないけど、とにかくその存在を忘れてた。
「生徒会役員は慣習的に修学旅行に行きませんからね。
行ってる暇ないですし。」
弥先輩が言うと、光唆は更に目を丸くした。
「えー!?
忙しいからって修学旅行を休むって…」
「修学旅行は一週間近くあるからな。
二年生役員の4人が、しかも会長と副会長の両方がそんなに留守をすると色々と滞る。」
そっか、夏に華羅お姉ちゃんがいなくなった時でも大変だったけど、あれの比じゃないわけか。
しかも会長と副会長が不在となると、大変どころじゃない、過労死するかもしれない。
「まあ、今年の副会長はいなくてもどうにでもなるがな。」
「なんだと兄貴!
もういっぺん言ってみろ!」
聖也先輩、淡々と説明していると思ったら…
これはちょっと時間かかるかも。
そんな事思ってたら、小百合先輩が代わりに説明してくれた。
「行ってはいけないってルールはないのよ。
でも私たちの場合、ここの学校に通ってる事情が特殊でしょ?
修学旅行って、私たちがここにいる趣旨っていうか、目的とは一線を画してるの。
聖也君や弥君が言ってくれたように忙しいし、正直、行かなくていいの。
海外なんて頻繁に行ってるしね。」
そこからは華羅お姉ちゃんにバトンタッチ。
「で、あたしとかは行ってはいけないんじゃないの。
でも休むの申し訳ないし、自分の担当の仕事に問題が起こった時に対処が遅れたりしたら大変でしょ?
で、結局行かないんだよね。
でも来年は二人とも行ってもいいよ。
一年生から推薦枠で生徒会にいてたら、なかなかクラスの子と遊んだりする機会ないでしょ?」