生徒会の恋愛事情


今日は光唆が見回りだから、あたしは華羅お姉ちゃんと一緒に帰る。


校門前で先輩達と別れて、あたし達は家に向かって歩く。


もうすっかり秋になっている今、この時間はもう暗い。


そのせいか、通学路の周りも静かで、喋ると声が響きそうだった。


でも、少し小さな声であたしは華羅お姉ちゃんに聞いてみる。


「ねえ、華羅お姉ちゃん。
本当に修学旅行に行かなくていいの?」


「そんなのいいよ。
…正直、生徒会に入ってすぐは修学旅行に行けないの嫌だなって思ってたけどね。」


「そうなんだ。」


「うん。
でも、今のは皆には内緒にしててね。
変に気を遣わせたくないから。
そんな時期もあったけど、今は生徒会の仕事に集中したいし、海外なら夏に行かせてもらったし。
だからね、あたしはいいんだ。
でも、さっきも言ったけど、来年からこの慣習を沙羅達が変えてくれても全然いいからね?
あたしのせいなのにこんな事言うのはあれだけど、沙羅と光唆って、クラスの子と何かするって経験殆どしてないでしょ?」


「そうだけど…あたし、来年も生徒会確定なの?」


来年も生徒会にいれるなら、あたしも華羅お姉ちゃんと同じで修学旅行に行かないことになる。


でも…あたしはそもそも残れるっていうか、来年もいれるのかな?


ふとそんな疑問が湧いた。


修学旅行には行けないのはちょっと残念だけど…出来れば生徒会にいたいな。



< 257 / 385 >

この作品をシェア

pagetop