生徒会の恋愛事情


「そっか…なるほどね。」


弥先輩の表情は、先程よりもスッキリしているように見えた。


…あたし、少しは役に立ったのかな。


だとしたら嬉しいな。


「…ねえ沙羅ちゃん、ちょっと僕の考え聞いてくれる。」


「はい…」


何だろう。


「今年の修学旅行の時期って繁忙期じゃないんだ。
暇ってわけじゃないけど、ちょうど大きな行事がなくて。
インフルエンザ予防月間の準備以外だけど。」


「それって、聖也先輩が始めてくれてるやつですよね?」


「そう。
聖也さんが中心でやってくれてるあれ。
それぐらいしかないからさ…華羅たちに行ってもらおうと思うんだ、修学旅行。」


「え?」


あたしは目を見開いた。


「華羅と勇也と香里奈…文化祭とか体育祭シーズンじゃないから、3人いなくても何とか仕事を回せると思って。
残りのメンバーはまた忙しくなってしまうけど。」


「忙しいのはいいですよ…でも…」


弥先輩は?


弥先輩は行かなくていいの?



< 263 / 385 >

この作品をシェア

pagetop