生徒会の恋愛事情


生徒会の会長には確かな権力がある。


弥先輩はそういうの使わない人だけど。


でも、何かあった時に…例えば大きなトラブルが起こった時に、会長の謝罪で丸く収まる時がある。


会長が頼むことで、先生が動いてくれて、物事が進む事がある。


それは一役員であるあたしだったら出来ない事だ。


副会長の勇也先輩や、元会長の聖也先輩でもできない。


現役の会長にしか出来ないのだ。


でもそのせいで…出来ない事がある。


弥先輩は…高校2年生なのに。


「でも弥先輩は、17歳の高校生です。
ちゃんと行く権利もありますよ。
それに…弥先輩だけ行かないってなったら、華羅お姉ちゃんとかも行かないと思います。」


「それは…確かにそうだと思う。
勇也も香里奈も絶対に行かないって言うだろうな。」


弥先輩はそこでふと笑みを溢す。


「…旅行一つで悩むなんて、僕達生徒会って一体何なのだろうね。」



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