生徒会の恋愛事情
「っ…」
あたしは言葉を紡げなかった。
初めて見た、弥先輩のこんな顔。
半年間ぐらい一緒にいて、初めてだ。
学校運営と生徒会の仕事以外で悩んでる弥先輩
それは…普通の高校生だった。
いや、普通の高校生にしたらすっごく品格あるし、オーラとか全然違うんだけど。
でもね…弥先輩も高校生の男の子なんだなって思った。
だから…
「弥先輩…どうしても行きたくないとかじゃないないなら、行ってきて下さい。」
「沙羅ちゃん…」
「確かに、弥先輩じゃないと出来ないことって沢山あります。
でも…大丈夫ですよ。
大事になりそうな案件、ちょうどないじゃないですか。
あたし…これってチャンスなんじゃないかって思うんです。
今なら行っても大丈夫っていうか…上手く説明出来ないんですけど。」
「チャンス…か。」
「はい。
それに、弥先輩こそ修学旅行に行った方がいいですよ。
それに…ずっと働きっぱなしじゃないですか。
たまには休んで下さい。
行ったらダメって規則はないんですから。」
そう、弥先輩にこそ行ってほしい。
勿論、勇也先輩にも香里奈先輩にも華羅お姉ちゃんにも。
楽しんでほしいの。
「高校生って一回しかないじゃないですか。」
そう、高校生なんだから。
生徒会、やりがいがあって楽しいけど…でも他の事も楽しんだ方がいい。