生徒会の恋愛事情
一人ぼっちの家の中
11月の初旬、秋深まる季節、家で荷物の整理をしている華羅お姉ちゃんが言ったんだ。
「沙羅、本当にありがとうね。」
「あたしはお礼言われるような事してないよ。」
「何言ってるの。
弥を説得して、動かしたのは沙羅じゃん。」
「説得って…あたし、自分の思った事しか言ってないよ。」
「その純粋さが弥の胸に届いたんじゃない?
何にしろ、ありがとう。
あと、暫くまた仕事任せる事にはなるけど、無理しないでね?」
「生徒会なら大丈夫だよ。
文化祭シーズンに比べたら天国だって。」
「生徒会もだけど、家のことも。」
「そんなの気にしないでよ。
大丈夫、実質皆いないのって2日だけじゃん。」
華羅お姉ちゃんは明日から修学旅行に行く。
帰ってくるのは5日後になる。
実はその間に美羅も修学旅行がある。
出発は明明後日で一泊二日だ。
それで、由羅お姉ちゃんも出張で3日程家にいない。
明後日に出発して帰ってくるのは今日から数えて4日後だ。
美羅と由羅お姉ちゃんは帰って来る日が一緒で、華羅お姉ちゃんがその翌日に帰ってくる事になる。
だから、あたししか家にいない日が2日ある。