生徒会の恋愛事情


「ごめん、起こしちゃった?」


「起こしたって…え?
え!?」


何が起こっているか分からなかった。


弥先輩が家にいる。


何故かエプロンしてる。


「あの…」


あたし、まだ夢を見ているのだろうか。


さっきも、弥先輩が家の前にいる幻覚を見て…


「沙羅ちゃん?
やっぱりまだ頭痛い?」


「え…えっと…少し…」


そういえば、帰宅中よりも随分と体が楽な気がする。


「えっと、弥先輩。
どうしてここに?
まだ修学旅行中ですよね?」


言いたい事を順番に言う。


一気に言わないと、また倒れそうだから、先に全部言ってしまった。


「ああ、そうだよね。
いきなり家にいたらビックリするよね。
でも…説明はもう少ししてからでもいい?
もう少しでできそうなんだ。」


そう言って、弥先輩は台所の方に行った。


あたしは立ち上がって、台所に向かう。


そこには、まな板と鍋を前に奮闘している弥先輩がいた。



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