生徒会の恋愛事情


「弥先輩!?
何してるんですか?」


「えーっと、お粥作ろうと思って。
ほら、風邪引いた時はお粥って言うから。」


「…あたしのために作ってくれてるんですか?」


「沙羅ちゃんのためって言ったら…そうなるかな。
僕の自己満足かもしれないけど。
…よし、何とか出来た。
沙羅ちゃん、今更だけどお皿借りるね。」


「はい。」


弥先輩はお粥をお皿によそって、テーブルの上に丁寧に置いた。


「美味しいかどうかちょっと怪しいけど、食べれそうだったら。」


「ありがとうございます。
いただきます。」


あたしはお粥を口にする。


「美味しい…。」


「本当に?」


「はい。
本当に美味しいです。
でも弥先輩、どうして弥先輩があたしの家でお粥を?」


「そうだったね。
実は…」


弥先輩は、修学旅行に行っていたのだが、家の都合で急遽日本に戻ったそうだ。


それで、家の用事っていうのが終わって、帰国した事だし学校に行こうとしたらしい。


向かっている途中であたしの住んでるアパートの前を通った時に、覚束ない足取りのあたしを発見した。


それであたしが風邪を引いていると分かったそうだ。


弥先輩は失礼だとは思いながらも、あたしを家に入れてくれて、看病してくれた。


家にある諸々の物の場所は、華羅お姉ちゃんに電話して聞いて、お粥のレシピはネットで調べて作ってくれたんだって。



< 275 / 385 >

この作品をシェア

pagetop