生徒会の恋愛事情
「弥先輩!?
何してるんですか?」
「えーっと、お粥作ろうと思って。
ほら、風邪引いた時はお粥って言うから。」
「…あたしのために作ってくれてるんですか?」
「沙羅ちゃんのためって言ったら…そうなるかな。
僕の自己満足かもしれないけど。
…よし、何とか出来た。
沙羅ちゃん、今更だけどお皿借りるね。」
「はい。」
弥先輩はお粥をお皿によそって、テーブルの上に丁寧に置いた。
「美味しいかどうかちょっと怪しいけど、食べれそうだったら。」
「ありがとうございます。
いただきます。」
あたしはお粥を口にする。
「美味しい…。」
「本当に?」
「はい。
本当に美味しいです。
でも弥先輩、どうして弥先輩があたしの家でお粥を?」
「そうだったね。
実は…」
弥先輩は、修学旅行に行っていたのだが、家の都合で急遽日本に戻ったそうだ。
それで、家の用事っていうのが終わって、帰国した事だし学校に行こうとしたらしい。
向かっている途中であたしの住んでるアパートの前を通った時に、覚束ない足取りのあたしを発見した。
それであたしが風邪を引いていると分かったそうだ。
弥先輩は失礼だとは思いながらも、あたしを家に入れてくれて、看病してくれた。
家にある諸々の物の場所は、華羅お姉ちゃんに電話して聞いて、お粥のレシピはネットで調べて作ってくれたんだって。