生徒会の恋愛事情
「ごめんね、勝手に家に入って。」
「いえ。
弥先輩のおかげで助かりました。
本当にありがとうございます。
でも…どうして学校に?
お家の用事が終わられたのなら、今日はお休みしても良かったのでは?」
「まあそうなんだけど。
…簡単に説明すると、ちょっと家で喧嘩してね。
あんまり家にいたくないんだ。」
「え!?
弥先輩も家で喧嘩とかするんですか?」
なんか意外だな。
お金持ちの人って、親とかに反論しないイメージがある。
弥先輩は良い意味で優等生だから、そういうイメージが強かった。
「普段はしないよ。
でも今回はちょっと色々あってね。」
「そうなんですか。」
その時、弥先輩は詳しくは教えてくれなかった。
凄く気になったけど、あたしなんかが入っていい問題じゃないのかなって思った。
あくまで想像だけど…あたしが入っていい話だったら、修学旅行の件みたいに話してくれるんじゃないかなって。
でも今は話してくれない…それは多分、家の大事な事だから。
きっとそうだ。
「ごめんね変な話聞かせて。
沙羅ちゃんは僕のこと気にしてくれなくていいよ。
それより早く風邪治してね。」
「ありがとうございます。
いつもご迷惑かけてすいません。」
そういえば、弥先輩の家でも風邪で倒れた。
文化祭の準備でもかなり迷惑かけた。
…あたし、弥先輩に迷惑かけてばっかりだな…。
あたしの事で悩まないで、みたいな事言ったくせに…。