生徒会の恋愛事情
「沙羅ちゃんが気にする事なんて何もないよ。」
「いっぱいありますよ。
沢山迷惑かけてるし、沢山フォローしてもらっています。」
「そうかな?
僕の方こそ、沙羅ちゃんにはいつも助けてもらってばっかりだよ。」
「そんな事ないですよ!」
「あるよ。
僕はいつも、沙羅ちゃんに救われているんだ。」
そう言われた瞬間、あたしは弥先輩と目が合った。
距離はテーブルの長さと同じといったところだ。
「そんな、あたしが救うなんて…」
出来ているはずがない。
文化祭の時、あたしのおかげで上演できたって皆言ってくれた。
今回の事も、あたしが変えたって華羅お姉ちゃんは言ってくれた。
でも…普段は特に…
「本当だよ。
僕は沙羅ちゃんに救われてる。
ねえ、沙羅ちゃん…」
まっすぐな瞳が、あたしに向けられる。
それだけで、看病のおかげで下がった熱がまた戻ってきそうだ。
「…な、んですか?」
答えにつまりながらも、言葉を繋げる。
この奇妙な間がとても辛いかった。