生徒会の恋愛事情
「…沙羅ちゃんは、僕みたいな暮らしの人と結婚するのって嫌?」
「え?」
弥先輩みたいな暮らしの人…お金持ちって事だよね。
…どうなんだろう。
あたしは想像する。
もし、弥先輩と結婚できたら…
やっぱり、テーブルマナーとか覚えるの大変だろうな。
社交界みたいなところでも虐められるかな、庶民のくせに的な感じで。
でも…
「答えになってるか分かりませんけど…
お金持ちの方の暮らしとかしきたりとか、正直全然分からないです。
一から覚えないといけないから相手の方に迷惑かけると思います。
それに、イメージですけど、他のお金持ちの人にどんな目で見られるか分からないから、ちょっと怖いですし。
でも…弥先輩みたいに優しくて、何かあったら助けてくれるような旦那さんだったら、そんな環境も乗り越えられる気がします。
そんな素敵な方との結婚だったら嫌じゃないで…」
あたしは顔が青ざめていくのが分かった。
何言ってるんだろう、あたし。
これじゃまるで…弥先輩と結婚したいみたいな事になってる…
あたしは目を見開いたまま、弥先輩を見る。
弥先輩は、きょとんとした顔でこちらを見ていた。
「あの、弥先輩…」
「そう思ってもらえてるなんて、嬉しいな。」