生徒会の恋愛事情
それって、本当に嬉しい。
嬉しくて幸せで…もう何もいらない。
「弥先輩、あたしも…弥先輩が好きです。
弥先輩に好きっていってもらえて、本当に嬉しいです。
逆にあたしなんかが彼女になったら、弥先輩に恥かかせちゃうかもしれないけど…それでもあたし、頑張りますから。
だから…よろしくお願いします。」
「…ありがとう。」
そう言って弥先輩はあたしを抱きしめた。
文化祭のための演技じゃなくて、事故とかじゃなくて
弥先輩に意思で、あたしを包んでくれている。
「あたしの方こそ、ありがとうございます。」
あたしはそれに応えるように、弥先輩の背中に腕を回した。
これが…言葉に重ねる了承の証だった。
その後も、弥先輩はあたしの看病をしてくれた。
それでも、夜になると弥先輩は帰ると言った。
嫁入り前の女の子の部屋に泊まるわけにはいかないって。
あと、家の喧嘩を片付けてくるって。
「…本当にもう大丈夫?」
「はい。
なんか色々嬉しくて、元気になりました。
明日からまた生徒会も学校も復帰します。」
「そっか。
でも本当に無理しないこと。
あと…困った事があったら僕にすぐ連絡すること。」
「はい!」
少し寒くなってきた夜のこと、あたしはとても温かい気持ちで、玄関のドアを閉めた。