生徒会の恋愛事情
簡単じゃない関係
紅葉が見頃の季節だった。
弥先輩に告白されて一週間が経つ。
華羅お姉ちゃん達も修学旅行から帰ってきて、生徒会は落ち着いて…ってことはなかった。
弥先輩との話し合いの末、華羅お姉ちゃんにはあたしと弥先輩が付き合っている事は話しておこうという事になった。
やっぱり公にすると何かと面倒みたいだ。
それでも、華羅お姉ちゃんはあたしの姉だし、弥先輩とも色々あったし…報告する事になった。
報告する時、正直どんな反応するだろうって怖かったけど、いざ言ってみると凄く喜んでくれた。
「弥、やっと告白したんだ!
沙羅って弥のこと好きだろうなって思ってたけど、二人が両想いなら良かった!
さて、沙羅を泣かせたら豪邸に殴りに行くって今から電話しようかなー。」
「そんな電話しないでよ!
それより…弥先輩のことが好きだって気づいていたって本当?」
「うん。
生徒会なら皆気付いているじゃないかな?
弥が沙羅を好きっていうのもかなり分かりやすかったから、気付かれてると思う?」
「嘘!
あたし、全然気付かなかったよ!」
「それは沙羅が鈍感だから。
まあでも、そんな感じでばれてるよ、きっと付き合ってるのもすぐばれるよ。」
「えー!
華羅お姉ちゃんにしか言わないでおこうって話なのに!」
「…そういえば、あたしが弥と付き合ってる時は誰にも言ってなかった…
これは沙羅が弥と決める事だけど、今の生徒会のメンバーには言ってもいいんじゃない?
他に喋る人いないでしょ。」
「そっか…そうだよね。
ありがとう。
そうだ、華羅お姉ちゃん、華羅お姉ちゃんの好きな人って誰なの?」
「…ちょ!
それ何処情報!?
ってか何聞いたの!?」
「え?
弥先輩から聞いたの。
その…華羅お姉ちゃんが他に好きな人がいて、弥先輩も…その…あたしのこと好きだから…って。」
「そういう事ね!
まあそうだけど、それ言わないと話ややこしくなるからって言うのも分かるけど!
…沙羅、これは沙羅が弥と付き合ってるのと同じぐらいの秘密よ。」