生徒会の恋愛事情
あの時の室内の光景を、あたしは一生忘れない。
ガールズトークに盛り上がる二人の先輩
あーあ、ばれちゃったという感じであたしを見ている華羅お姉ちゃん
我関せずみたいに振舞ってるけど、やっぱりなって感じで弥先輩を見ている聖也先輩
状況についていききれていない弥先輩
そして、何が起こっているのか全く分かっていない光唆と勇也先輩
「はー!?
お前ら付き合っているって、いつの間に?
つか、いつの間に惚れてんだよ。」
…華羅お姉ちゃん、皆気付いているって言ったじゃん、勇也先輩は全く気付いていないよ。
「え?
勇也気付いていなかったの?
二人とも両想いだったじゃない!
まあもう付き合い始めているのは流石に確信持てなかったけど。」
「私も香里奈ちゃんと同じかな。
いつ進展するのかなってウズウズしてたんだけど。」
「小百合先輩も香里奈先輩も待ってください!
沙羅と弥先輩がまだ何も言ってません!
っつか何も言えないって顔してます!」
光唆、フォローしてくれてありがとう。
でももう遅いみたいだ…
「…香里奈、小百合さん、お見事です。
華羅と聖也さんがどこまで気付いていたかは分かりませんが…まあこの表情から見るに気付いていたんでしょうね。
お察しの通り、僕はすこぶる機嫌が良いですよ。
沙羅ちゃんとお付き合いできる運びになって、とても幸せですよ。」
女性陣から黄色い声が、光唆から驚愕の叫び声が聞こえた。
「いくら防音機能があるからって、あんまり叫ぶと外に聞こえるぞ。」
聖也先輩、ありがとうございます。
あたしも今それが心配でなりませんでした。
華羅お姉ちゃん、どうやら伝えずともばれてしまったみたいです。