生徒会の恋愛事情
それでも、皆が祝福してくれた。
おめでとうって言ってくれた。
あたしも…とても幸せだった。
好きな人と距離が近づいて、それを祝ってくれる人がいる事が。
「でも皆さん、分かってるとは思いますけど、断じて口外しないで下さいね。」
弥先輩は改めて言った。
「特に言う事はないですけど、どうしてですか?」
光唆が質問する。
「それはだな、文化祭の事を思い出せ。
あの翌日の学校を思い出せ。
あれより酷い事が起こるぞ。」
勇也先輩が答えてくれた。
「こんな事が他の生徒にばれたら、弥君と沙羅ちゃんは本当に学校来れなくなるよね。」
「沙羅だけじゃなくて、あたしも家で待機になるよ。」
香里奈先輩と華羅お姉ちゃんが顔を合わせて言う。
「それに加えて、マスコミとか各界まで騒ぎ出すからな。
天下の神崎の御曹司が学校の女子と付き合ってるなんて、良いゴシップネタだ。
それこそ、ある事ない事色々書かれる。」
…やっぱりそうなるんだ。
なんか…想像してたし、覚悟してたつもりだけど、聖也先輩の口から言われると怖いなって思っちゃう。
「そういう事です。
皆さん、申し訳ありませんが宜しくお願いします。」
「あたしらも、お願いします。」